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日商簿記3級 過去問分析

配点・内容について
第1問(20点)

毎回仕訳問題が5問出題されて、今後もこの傾向は変わらないと思います。簿記の基本は勘定記入であり、その前準備として仕訳を行います。3級の試験では過去の出題と類似した問題が出題されることが多いのですが、仕訳を単に丸暗記しても意味はありません。仕訳した結果、勘定はどのように記入されるかを深く考えながら学ぶと効果的です。

第2問(8~10点)

主に帳簿組織に関する問題が出題されています。特に、補助簿と勘定との繋がりを問う問題が多く、補助簿の記入内容と、仕訳・勘定記入との繋がりをしっかり理解する必要があります。

第3問(30~32点)

主に試算表を作成する問題が出題されます。試算表は、合計試算表、残高試算表、合計残高試算表などの種類が存在しますが、記入の方法をひとつひとつ覚えるより、それぞれの試算表が何を集計しているのか考える方が効果的です。

また、集計力をつけるためには、取引量の多い問題で練習することをお勧めします。

第4問(8~12点)

主に伝票会計、勘定記入及び語句の選択が出題されます。伝票会計においては、伝票の起票方法が出題されてきましたが、範囲の改正により、今後は仕訳日計表も出題されます。

また、仕訳などに関する空欄補充の出題も多いため、会計処理を学ぶ際は計算方法を暗記するのではなく、理解することを心がけましょう。

第5問(30~32点)

主に精算表の作成及び財務諸表の作成に関する問題が出題されます。

ただし近年では、精算表より財務諸表を問うことが多くなっています。財務諸表が読めることは、会社のお金の流れを読み取ることに繋がります。パターン的に作成方法を覚えず、金額の意味を考えながら学習されると効果的です。

また、財務諸表を作成する際は、勘定科目ではなく表示科目で表示する必要があることに注意してください。

出題傾向と合格率
試験回 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 合格率 個別総評へ
第147回 仕訳問題 商品有高帳 残高試算表 勘定記入 精算表 総評
第146回 仕訳問題 帳簿の選択 合計残高試算表等 伝票会計 財務諸表 50.9% 総評
第145回 仕訳問題 勘定記入 合計試算表 語句選択 精算表 47.4% 総評
第144回 仕訳問題 勘定記入 合計試算表 伝票会計※ 財務諸表 45.1% 総評
第143回 仕訳問題 帳簿の選択 推定問題 伝票会計 精算表 34.2% 総評
第142回 仕訳問題 商品有高帳 合計試算表 伝票会計 財務諸表 26.6% 総評
第141回 仕訳問題 勘定記入 残高試算表 語句選択 財務諸表 26.1% 総評
第140回 仕訳問題 勘定記入 合計残高試算表 伝票会計 精算表 52.7% 総評
第139回 仕訳問題 仕訳推定 合計試算表 推定問題 精算表 54.1% 総評
第138回 仕訳問題 商品有高帳 合計残高試算表 伝票会計 財務諸表 38.5% 総評
第137回 仕訳問題 勘定記入 残高試算表 推定問題 精算表 48.0% 総評
第136回 仕訳問題 仕訳推定 残高試算表 語句選択 精算表 40.9% 総評
第135回 仕訳問題 帳簿の選択 合計残高試算表 勘定記入 精算表 48.0% 総評
※144回伝票会計は、仕訳日計表の作成あり
個別総評
第1問
基本的な期中仕訳や再振替仕訳が問われており、それぞれの取引をいかに正確に解答するかがポイントとなります。
第2問
商品有高帳及び売上高、売上原価、売上総利益の金額の算定に関する出題でした。売上値引の取扱いについて、商品有高帳と主要簿(仕訳帳、総勘定元帳)との相違点につき、注意が必要です。
第3問
残高試算表の作成に関する出題でした。取引の中に重複取引があることから、当該重複取引を二重に計上しないように注意が必要です。
第4問
支払手数料及び前払手数料の勘定記入に関する出題でした。土地の取得に関する手数料は付随費用となるため、土地の取得原価に含められることに注意が必要です。
第5問
精算表の作成に関する出題でした。決算整理仕訳により期中の誤った処理を正しい処理に修正できるか、また、他の決算整理事項につき、正確に処理を行えるかがポイントとなります。
第1問
仕訳に関する問題でした。特に複雑な計算もなく、内容を読み取れれば完答できた問題であると思います。
第2問
補助簿の選択に関する問題でした。5日の取引については、最後まで文章を読んでいるか注意力を問われる問題です。
第3問
合計残高試算表及び掛取引の明細表を作成する問題でした。取引数も少ないため、比較的短時間で解答できる問題であると思います。
第4問
伝票の記入に関する問題でした。基本的な問題であるため、完答できる問題であると思います。
第5問
財務諸表の作成に関する問題でした。基本的な内容であり、最近では財務諸表を作成する問題も頻繁に出題されているため、完答したい問題です。
第1問
基本的な仕訳問題です。特に複雑な計算もなく、過去に出題された問題に類似する問題であったため、完答したい問題です。
第2問
利息の見越しに関する問題です。総勘定元帳の記入を、複式簿記の一巡に当てはめて解けば完答できる問題です。期間計算をしっかり行えたかどうかがポイントになります。
第3問
合計試算表の作成に関する問題です。前月までの合計金額に、当月の合計金額を加算し、当月末の合計試算表を作成する問題です。取引量は並みですので落ち着いて解けたかがポイントになります。
第4問
語句の選択に関する問題です。語群がありますが、修繕に関するところは細部まで問われているため解答は容易ではないと思います。
第5問
精算表の作成に関する問題です。現金過不足について少々難しい気がしますが、問題文の指示通り会計処理を行ってもらえれば解答は導けると思います。
第1問
基本的な仕訳問題です。貸倒れの処理をのぞけば、過去に出題された問題に類似する問題であったため、難易度は低めだと思います。
第2問
固定資産に関連する総勘定元帳の推定に関する問題です。取得日及び期間をしっかり確認できたかどうかがこの問題でのポイントになると思います。
第3問
合計試算表の作成に関する問題です。本問は、現金、普通預金、当座預金を使い分けているため、この3つの使い分けをできたかがポイントであると思います。
第4問
伝票に関する問題です。仕訳日計表は合計試算表の一種であるということを理解できていたかどうかがポイントであると思います。3級での仕訳日計表の出題が初めてであったため、得点しにくかったと思います。
第5問
財務諸表の作成に関する問題です。最近では頻繁に出題されており、内容としても平均的な内容であるため、ケアレスミスなく解答できたかがポイントであると思います。
第1問
仕訳に関する問題です。しっかり文章を読み、落ち着いて解答できたかどうかがポイントだと思います。特に、5の問題では、税金という言葉に反応して租税公課と解答している人もいたのではないでしょうか。
第2問
補助簿の選択に関する問題です。特に難しいところはありませんので、完答できる問題であったと思います。
第3問
勘定から残高試算表を作成する問題です。初めての形式であるため戸惑った方もいらっしゃったかもしれませんが、複式簿記の基本は、仕訳→勘定記入であるため、基本に忠実に学習されている方は完答できる問題だと思います。
第4問
伝票の推定に関する問題です。基本問題ですので完答したい問題です。
第5問
精算表の作成に関する問題です。基本的な内容ですのでしっかり解答してほしいと思います。
第1問
仕訳に関する問題です。有価証券の売買手数料に関する処理が
第2問
商品有高帳の記入に関する問題です。売上値引きは、商品有高帳に影響を及ぼさないというところがポイントです。しかし、それ以外は過去に出題されている内容ですのでしっかり確認してほしいと思います。
第3問
合計試算表を作成する問題です。途中で当座借越になるため、注意が必要です。
第4問
伝票の推定に関する問題です。入金および出金伝票は、現金の入出金を記載する伝票であるため、当座預金は記帳されないという点がポイントとなります。
第5問
財務諸表の作成に関する問題です。完答できる問題であると思います。
第1問
仕訳に関する問題です。仕訳については、基本的な内容ですが、販売目的の車両について、解答できなかった方がいらっしゃるのではないでしょうか。
第2問
当座預金と当座借越に関する出題です。基本的な勘定記入を問う問題であるため、完答したい問題です。
第3問
残高試算表を作成する問題です。今回はややボリュームが多かったため、集計に時間を要すると思います。
第4問
文章を読み適切な語句を答える問題です。決算後試算表(繰越試算表でも可)については、難易度が高いため、解答できないと思いますがその他のところは、しっかり点数を稼ぎたいところです。
第5問
財務諸表の作成に関する問題です。決算整理前残高試算表を自分で作成できた方は、完答できる問題であると思います。しかし、難易度は高めです。
第1問
仕訳に関する問題です。税金の納付期限を具体的に記載するなど実務的な出題がされていたような気がします。
第2問
主要簿と補助簿の関係についての問題です。両者の関係が理解できていれば完答できた問題だと思います。
第3問
合計残高試算表を作成する問題です。月末商品の数量及び単価の計算は、簡易的な商品有高帳を作成し、解答することがよろしいかと思います。
第4問
伝票の記入に関する問題でした。仕訳を分解することができれば解答は容易であったともいます。
第5問
精算表の作成に関する問題でした。内容として難しいところはありませんのでぜひ完答してほしいと思います。
第1問
仕訳に関する問題でした。やさしめな問題であるため、完答してほしいと思います。
第2問
帳簿から仕訳を導き出す問題です。30日の時点で当座預金口座が貸方残高(当座借越)になるため注意力が問われた問だと思います。しかし、これに類似した問題が過去にも出題されているため、今回は解答してほしかったと思います。
第3問
合計試算表を作成する問題です。内容的には難しいところはありませんが、解答用紙に記入する時間が比較的多くかかる問題だったように感じます。
第4問
減価償却の記帳方法に関する問題です。減価償却の記帳方法に関する問題は、定番であるためしっかり解答してほしいところです。
第5問
精算表の作成に関する問題です。この問題も内容的には比較的やさしめの問題であるためしっかり解答してほしいと思います。
第1問
仕訳に関する問題です。仕訳問題は過去問と類似の問題がほとんどであり、基本的な内容であるため高得点が狙える問題だと思います。
第2問
商品有高帳の作成に関する問題です。完答していただきたい問題です。
第3問
合計残高試算表を作成する問題です。この問題は、二重仕訳が存在するため、注意が必要となります
第4問
伝票の記入方法についての問題です。この問題については、既に記録されている伝票から起票方法をしっかり読み取れるか、否かがポイントです。
第5問
財務諸表の作成に関する問題です。基本的な内容ですのでしっかり解答して欲しいと思います。
第1問
仕訳に関する問題です。基本的な内容であるため、高得点が狙える問題だと思います。
第2問
総勘定元帳と補助元帳との関係についての問題です。両者の関係がわかっていれば難しいところはありせんが、貸倒れのところについては注意が必要です。
第3問
残高試算表を作成する問題です。この問題については、量も少なく基本的な内容であるためしっかり解答してほしい問題です。
第4問
支払利息の見越について、一連の流れを問う問題です。一連の流れが問われているため、完答は難しいと思います。
第5問
精算表の作成に関する問題です。基本的な内容であるため高得点が狙える問題だと思います。
第1問
基本的な仕訳問題です。各取引ごとに用いられている預金口座が異なるため、しっかり文章を読み解答する必要があります。
第2問
補助簿から仕訳を推測する問題です。基本的な内容ですが、1月25日において当座借越になっている点に注意が必要です。
第3問
残高試算表を作成する問題です。この問題については、量も平均的であり、難しい論点もないためいかに早く、正確に集計できるかが重要だと思います。
第4問
語群から適切な語句を選択する問題です。この問題については、計算を理解し、そのうえで表示方法などについて問われているため、難易度はやや高めです。そのため、得点しにくい問題であると思います。
第5問
精算表の作成に関する問題です。基本的な内容であるため高得点が狙える問題であると思います。
第1問
仕訳に関する問題です。基本的な内容であるため、高得点が狙える問題であると思います。
第2問
補助簿の選択に関する問題です。補助簿の選択は、商品有高帳の取扱いがポイントとなるため、しっかり確認してほしいと思います。
第3問
合計残高試算表を作成する問題です。合計残高試算表を作成する際に、当期純利益が貸借対照表に記載されているため、資本金の額に加算して計算するため、注意が必要です。
第4問
売上原価の算定を勘定記入する問題です。売上原価の算定は、一般的に仕入勘定で計算されますが、その他にも売上原価勘定及び損益勘定でも算定できるためどこで売上原価の算定を行う場合でもできるようにしてください。
第5問
精算表の作成に関する問題です。基本的な内容ですので、得点源にして欲しい問題です。