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出題傾向と学習方法

出題傾向・過去問を徹底分析

本来、会計は、実社会で仕事に役立てることを目的に、スキルとして学ぶものです。

しかし現状は、資格を取ることだけが目的になってしまい、解き方を暗記したり、ヤマ当てに頼ったりと、よくない勉強方法をされている方も目立ちます。

ただ覚えようとするのではなく、それぞれの計算の意味をしっかりと考え、基礎力・応用力を身につけることが重要です。

“練習を繰り返すことは大切ですが、過去問題や類題を機械的に解くだけでは、実力はつきません。それぞれの処理の基本となる考え方を理解しておくことが重要で、そのような学習を積み重ねておけば、問われる角度が多少変わっても十分対応できるようになるはずです。”

これは、日本商工会議所が公表している講評(第138回 1級 商業簿記)からの一文です。ここからも、しっかりと理解することが、検定においても重要視されていることが分かるかと思います。

過去問題は、試験委員や関係者の方が長い時間をかけて、綿密に練り上げた良質な問題が多いため、基礎力がついたら、これを考えながら解くことで、より自分の力をアップできる有効なツールです。そこで簿記ペディアでは、解きたい単元を探すため、過去問題を一覧にまとめました。また、タグ検索やワード検索など、目的に合った問題が見つかるように工夫しています。上手に活用して、真の会計人を目指しましょう。

日商簿記3級の出題傾向・過去問分析

民間団体が主催するものでは日本最大の認知度を誇る検定試験です。現在は初級、3級、2級、1級が実施されていますが、このうち3級が最も受験者が多く、簿記の基本を理解するのに最適な問題が多く出題されます。特に、勘定記入や仕訳といった重要事項を問うことが多いため、3級を理解して合格すれば、簿記そのものの根本的な理解に繋がります。

しかし実際には、解き方を丸暗記して、理解が乏しいまま合格するケースも多くみられます。こういった合格方法では、上の級の学習にまったく対応できず、諦めざるを得ない結果となります。

3級であれば、丸暗記でも合格することはできますが、3級こそ特に、原理を理解しながら学ぶことを心がけていただきたいと思います。

なお、143回の試験を境に出題範囲が多少改正されましたが、主に2級の改正であったため、3級への影響は小さく、難易度もあまり変わりません。改正範囲に対応したテキストを利用し、根本を理解する学習をしましょう。

日商簿記2級の出題傾向・過去問分析

民間団体が主催するものでは日本最大の認知度を誇る検定試験です。2級に関しては近年、難易度が格段に上がっています。以前の試験は解法(計算パターン)を覚えれば、理解できていなくても合格できるような過去問類似問題が多く出題されていましたが、143回の試験を境に範囲が広がり、かつひとつひとつの処理も、理解して考えなければ解答できないような試験になりました。

特に第2問が、型にはまっておらず、柔軟な簿記の対応力が求められます。計算方法の丸暗記で終わらず、理解すべき箇所は時間を割いてでも理解の時間に充てる必要があります。

日商簿記1級過去問分析

民間団体が主催するものでは日本最大の認知度を誇る検定試験です。ただし、問題自体の難易度が高いことと、1科目25点満点であり、誤答した場合の失点が多く、合格する可能性が極めて低いという特徴があります。

全経上級と同程度の学習内容ですが、日商1級の方が難解な計算問題が多く、問題自体の理解ができないものさえあります。独学の場合、そもそも合格する人数自体が少なく、自信を持って合格するというよりも、頑張ってもギリギリでしか合格できないというケースが多いようです。そのため、日商1級を学習される場合は、できる限り専門学校等の通学講座や通信講座などで学ばれることをお勧めします。

全経簿記上級過去問分析

日商1級と同程度の学習内容ですが、日商1級の場合、理論問題が文章の穴埋めや選択肢から答える形式が多いのに対して、全経上級は3~6行程度の解答欄に文章を記述させることが特徴です。

ただし、日商1級が1科目25点満点であるのに対し、全経上級は1科目100点満点であるため、配点箇所が多く、多少の誤答があっても失点が少なく、合格する可能性が高いという特徴があります。

※ただし、1科目40点未満は足切り(不合格)という制度が採られています。