難易度:難しい
評価:
《第1問》
仕訳問題です。有価証券、商品仕入、当期純損益、自家消費及び仕入戻しについて出題しています。1、2及び3は基本的な内容ですが、2は通常の問題と金額の説明方法が異なるため、問題文をよく読んで手付金の金額を計算する必要があります。また、4は仕入原価を自分で計算する必要があり、商品有高帳等を用いるため、時間がかかる問題でした。5は通常の仕入戻しの問題と異なり、買掛金を減額するわけではないため、こちらも問題文をよく読んで、適切な処理を考える必要があります。
《第2問》
貸付金勘定、未収利息勘定及び受取利息勘定への記入に関する問題ですが、金額を推定する必要があり、A商店への貸付金の元本相当額を推定できるかどうかがポイントとなります。具体的には未収利息勘定の前期繰越の金額から推定しますが、金額を年額(12か月分)に修正し、かつ、利率で割り戻すことができるかどうかが重要です。そこまで推定できれば、通常の勘定記入の問題とさほど違いがありませんが、期中処理に係る勘定記入も問われているため、現実のお金の流れを把握する必要があります。
《第3問》
合計残高試算表に関する問題ですが、通常の問題と異なり、問題で与えられている繰越試算表の金額を一部推定する必要があります。その推定では、建物減価償却累計額からの建物の推定、貸付金の推定及び借入金の推定の難易度が高く、借入金の推定については、ヒントが[平成28年1月中の取引]の資料に含まれていることに気付けるかどうか、前受利息及び未払利息の金額については、前期の決算整理仕訳をイメージできるかどうかがポイントとなります。[平成28年1月中の取引]については、取引量が多いため、素早く処理する必要がありますが、他の試算表作成の問題と同様に、資料には二重取引が含まれているため、同じ取引を2回処理しないように注意してください。
《第4問》
金額の推定に関する問題です。商品売買取引を中心に出題していますが、通常の問題と異なり、順当に仕訳を行えば解答が導けるようなものではありません。解答するには、解説にあるように関連する勘定を作成し、貸借差額等で隠された金額を推定する必要があります。このような問題を解くに当たっては、各勘定の借方及び貸方には、どのような金額が記入されるかどうかを理解して、各取引による金額の流れを把握しておかなければなりません。また、貸倒引当金の額から売上債権の額を推定する等、通常の問題とは異なる解き方をする部分があるため、そういった点に柔軟に対応できるかどうかも重要になります。
《第5問》
精算表の推定に関する問題です。通常の精算表作成の問題とは異なり、問題で示された処理を行うようなものではなく、推定に当たっては、やはり《第4問》と同様に金額の流れが把握できるかどうかが重要となります。本問では損益計算書又は貸借対照表の金額と残高試算表の金額との差額から、修正記入の金額を推定する箇所が多いですが、その場合には、その推定された金額の相手科目を推定し、取引の内容をイメージする必要があるため、それが出来るかどうかも本問を解く上ではポイントとなります。
【ご利用上の注意】
第3回の模擬試験は、難易度をかなり高めに設定しており、思考力・知識力共に十分な実力がついている状態でなければ解けない問題です。
本問を試験対策用の問題として利用される場合、第1回・第2回のみを優先してご利用いただき、自信のない方はご利用を控えることをお勧めいたします。
<この問題に関連するキーワード>
一般商品売買
現金預金
金銭債権債務
有価証券
有形固定資産
純資産会計