難易度:難しい
評価:
《第1問》
仕訳問題です。源泉徴収、手形取引、商品券、金銭債権の貸し倒れおよび有価証券について出題しています。1は源泉徴収した所得税額および社会保険料の納付時の仕訳を出題していますが、給料支給時に預り金を計上していないことおよび事業主負担分を考慮するため、難しかったと思います。2および3は受け取った手形や商品券ごとに処理が異なりますが、いずれも基本的な内容を組み合わせた問題です。4は貸付金について貸倒引当金を設定していないことがポイントとなりますが、こちらも難易度は高いと考えられます。5は基本的な内容です。
《第2問》
売掛金明細書の記入等に関する問題です。得意先が3社登場するため、得意先ごとの金額の把握が複雑になると考えられますが、得意先元帳等を作成すれば、ある程度把握しやすくなると思います。また、益城商事が新規の得意先であり、月初の売掛金の残高がないことおよび阿蘇商店が途中で倒産してしまうことがこの問題のポイントとなりますが、阿蘇商店の倒産に関する処理については回収不能となった売掛金が前期に生じたものと当期に生じたものとで構成され、かつ、その内訳を計算しなければならないため、お金の流れが把握できるかどうかも重要になってきます。
《第3問》
残高試算表の作成に関する問題です。問題の形式は基本的なものですが、取引量が多いため、あまり時間をかけないように各勘定の金額を集計する必要があります。一つずつ仕訳を行う方法も考えられますが、各勘定を記入して金額を集計する方法のほうがより時間を短縮できると思われます。また、同じ取引が二重に記載されているものがあるため、同じ処理を2回行わないように注意してください。
《第4問》
貸付金取引に関する問題です。金額を推定する必要があり、その推定にあたっては期首の未収利息がA商店に対する貸付金に係るものであることおよび10月31日の金額がA商店およびC商店に対する貸付金に係るものの合計額であることに気付けるかどうかがポイントとなります。それに気付けば受取利息勘定の金額の推定は特に難しくないと考えられますが、記入量が若干多いため、あまり時間をかけないように注意してください。
《第5問》
精算表の推定に関する問題です。残高試算表から損益計算書および貸借対照表を作成するのではなく、残高試算表や修正記入の金額を推定する箇所があったり、問題で示されていない修正記入を推定したりする必要があり、通常の精算表の問題とは解き方が大きく異なります。その推定にあたっては、普段行う処理やお金の流れを把握していることが必要です。本問では貸借対照表または損益計算書の金額と残高試算表との金額との差額から修正記入の金額を推定する箇所が多くありますが、その金額から取引を推定し、相手科目を推定する必要があります。そのイメージができるかどうかが、本問を解くうえではポイントとなります。
【ご利用上の注意】
第3回の模擬試験は、難易度をかなり高めに設定しており、思考力・知識力共に十分な実力がついている状態でなければ解けない問題です。
本問を試験対策用の問題として利用される場合、第1回・第2回のみを優先してご利用いただき、自信のない方はご利用を控えることをお勧めいたします。
<この問題に関連するキーワード>
金銭債権債務
有価証券
帳簿組織
見越・繰延
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