難易度:普通
評価:
《第1問》
直接標準原価計算の採用を前提とした予算編成からの出題でした。利益計画の一環としてCVP分析も問われています。第1四半期経過後に予算に修正をかけるというもので、用語こそ出ていないものの、ローリング方式の予算の採用を前提とした問題でした。過去に類似の出題はなかったため、現場対応が求められる問題でしたが、第2四半期の生産販売量を求めるうえで明らかな指示不足が目立ち、受験生側が「恐らくこうしてほしいのかな…?」と推測しながら解く必要があり、煮え切らない形の出題となっています。
《第2問》
異常仕損・異常仕損費および原価標準に関する理論からの出題でした。計算面の理解だけでは自信をもって回答することは厳しい問題が多いですが、理解を深めるための素材としては良問だと思います。
《全体的なアドバイス》
全体的に指示不足の目立つ出題だったように思います。202X年度の利益計画策定時点で、各四半期の生産販売量を一定としているため、修正予算についてもその考え方を踏襲しているのだろうとは思いますが、さすがに何も指示がないのでは「指示不足の問題に対して受験生側が気を遣って回答を求める」という力が試されることになってしまいます。全体的に原価計算の難易度自体は易しいと思いますが、それでは高得点ばかりになってしまうため、本来必要な情報を不足させて全体としての難易度のバランスを保っているのであれば、それは試験問題として適切とは言えないのではないでしょうか。